いつも自分から誘うのに疲れた - 誘うのをやめる前に確かめること
いつも自分から誘うのに疲れた時に、最初に見る 2 つのこと
食事の誘いも、久しぶりの連絡も、気づけばいつも自分から。相手は誘えば来てくれるし、会えば楽しそうにしている。それでも、向こうから声がかかったことは一度も思い出せない。相手が本当はどう思っているのかは、外からは分かりません。いつも自分から誘うのに疲れたと感じた時に手元で確かめられるのは、相手の返事の中身と、自分がどれだけすり減っているかの 2 つです。
相手の返事の中身とは、誘った時に返ってくる言葉の形のことです。「行く行く、その日なら空いてる」と日付まで返ってくるのか、「いいね、また今度」で止まるのか、断る時に別の日を出してくれるのか。誘う回数の偏りは同じでも、返事の形が違えば意味はまったく違います。前者は、誘う役があなたに寄っているだけで、会うこと自体は相手も望んでいる形です。後者が何度も続くなら、相手の側に会う理由が薄れている可能性を考えに入れる必要があります。
自分のすり減り方は、誘う前の気持ちで測れます。誘う文面を打つ時に「また私からか」と手が止まる程度なら、偏りに気づいて少し疲れている段階です。誘って断られた日に、相手の言葉を何度も読み返して眠れなくなる、会っている最中も「今日も私が店を探した」と数えてしまう、という段階になると、関係を続けること自体が負担になり始めています。
この 2 つを並べると、取れる道はおおよそ 3 つに分かれます。誘うのをいったん休んで様子を見る、偏りを相手に伝える、今の形を自分で納得して続ける。
友達から誘われないのは脈なしなのか、取り違えやすい理由
誘われないことを「自分は大事にされていない」の証拠として読むと、苦しさは一気に増します。ただ、相手が誘ってこない理由は、あなたへの気持ちとは別のところにある場合があります。気持ちの問題と決めつける前に、次の表で見分けます。
| 誘ってこない理由 | 返事に出る形 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 忙しい時期が続いている | 断る時に事情を添える、時期が明けたら会いたいと言う | 「落ち着いたら声かけてね」と委ねて、相手から来るかを見る |
| 誘うこと自体が苦手 | 誘われると喜ぶ、会えば話が弾む、自分からの連絡はほぼ無い | 誘うのが得意かどうかを、雑談の中で軽く聞いてみる |
| あなたが誘ってくれるので任せている | 店や日程の提案にすぐ乗る、自分からは案を出さない | 「次は行きたい所を決めてほしい」と役を渡してみる |
| 会う理由が相手の中で薄れている | 「また今度」で止まる、別の日の提案が無い、返事が日に日に遅くなる | 誘うのを休み、相手から連絡が来るかを一定の期間待つ |
見落としやすいのは 2 行目と 3 行目です。誘うのが苦手な人にとって、自分から声をかけるのは、断られた時の気まずさを先に引き受けることです。相手の都合を邪魔したくない、自分と会っても楽しくないかもしれない、と考えて誘えずにいる人もいます。反対の立場から誘いの重さを知りたい時は、誘いを断る側の気持ちは、嘘の理由を使わずに誘いを断る時の考え方に。
3 行目の「任せている」は、あなたが段取りを引き受け続けた結果として生まれる形です。最初は自然に始まった役割でも、何年か続くと相手にとっては「誘うのはあの人の役」という前提になることがあります。相手に悪気は無くても、あなたの側だけが計画を練り、店を調べ、日程をすり合わせる負担を負い続けることになります。
表の 4 行目に当てはまるかどうかは、1 回の返事では決められません。たまたま忙しい週に誘っただけかもしれないからです。数か月の間で、日付まで返ってきた回と「また今度」で止まった回がどれくらいあったかを思い出してみます。既読のまま返事が来ない時のように、返事そのものが止まっている場合は、追いかけるか待つかの決め方が別に要ります。
誘うのをやめるか、伝えるか、続けるかの判断表
誘うのをやめる、と一口に言っても、関係を終わらせる決断である必要はありません。誘う手をいったん止めて、相手がどう動くかを見る期間を置くだけでも、偏りの正体を見分ける手がかりが得られることもあります。相手の反応、自分の消耗、付き合いの年数の 3 つで、取る道を選びます。
| 相手の反応 | 自分の消耗 | 付き合いの年数 | 選ぶ道 |
|---|---|---|---|
| 誘えば日付まで返ってくる | 少し疲れる程度 | 長い | 今の形で続ける。役を一部渡す工夫を足す |
| 誘えば日付まで返ってくる | 誘うたびに気が重い | 長い | 偏りを相手に伝える |
| 誘えば来るが、自分からの提案は無い | 数えてしまうほど疲れている | 短い | 伝える前に、誘うのを休んで様子を見る |
| 「また今度」で止まることが増えた | どの程度でも | どちらでも | 誘うのを休み、相手から来るかを待つ |
| 返事が遅れ、断る理由も無い | 断られるたびに落ち込む | どちらでも | 誘うのをやめる。追いかけない |
付き合いの年数を入れているのは、積み上げた時間の長さで、偏りへの耐え方が変わるからです。学生時代から 10 年以上続いている友人なら、誘う役が片方に寄っていても、会えば昔のように話せる土台があります。黙って回数を数え続けるより、言葉にする方が向いています。知り合って 1、2 年の相手だと、偏りを伝える前に、相手がそもそもどれくらいの距離感を望んでいるのかが分かっていません。先に誘うのを休んで、相手の動きを見る方が判断の材料がそろうこともあります。
休む期間の長さは、普段の会う間隔の 2 倍くらいを目安にします。月に 1 度会っていた相手なら 2 か月、半年に 1 度の相手なら 1 年です。期間を決めずに「向こうから来るまで待つ」と構えると、毎日スマートフォンを確かめては落胆する、という形で、かえって相手のことを考える時間が増えてしまいます。期間を区切っておけば、その間は自分の予定を入れることに頭を使えます。
休んでいる間に相手から連絡が来たら、それは相手も関係を続けたいと思っている合図として受け取れます。来なかった場合も、それで友情が終わったと決める必要はありません。相手の中での優先順位が、今はあなたの望む高さに無い、という事実が分かっただけです。その上で、年に 1 度だけ自分から声をかける、といった軽い付き合い方に切り替えることもできます。
いつも自分から誘う偏りを、責めずに伝える方法
偏りを伝える時に避けたいのは、これまでの回数を並べて相手に突きつける形です。「いつも私からだよね」「最後にそっちから誘ってくれたのいつ?」という言い方は、事実としては正しくても、相手には責められたとしか聞こえません。言われた側は謝るか言い返すかの二択になり、誘う役をどう分けるかという本題に進めなくなりかねません。伝えたいのは過去の勘定ではなく、これからどうしたいかです。
| 場面 | 伝える一言の例 | 避けたい言い方 |
|---|---|---|
| 相手が誘うのが苦手そう | 「たまにはそっちから声かけてもらえると、すごくうれしい」 | 「たまには誘ってよ」 |
| 段取りが自分に寄っている | 「次は行きたいお店を選んでもらってもいい?私は日程を合わせるね」 | 「いつも私が探してるんだけど」 |
| 会いたいのか分からなくなった | 「誘いすぎて迷惑になってないか、ちょっと気になってて」 | 「私と会うの、本当は面倒なんでしょ」 |
| 忙しい時期だと分かっている | 「落ち着いたら連絡ちょうだい。こっちから急かさないでおくね」 | 「全然会えないね」 |
どの一言にも共通しているのは、相手に何かを求める形をとりつつ、断る余地を残していることです。「迷惑になってないか気になってて」と聞かれた相手は、「全然そんなことない、誘ってもらえて助かってる」と答えることもあれば、「実はここのところ余裕がなくて」と打ち明けることもあります。どちらの答えでも、あなたは相手の状態を推測ではなく言葉で知ることができます。
伝える場は、会っている時の終わりぎわか、楽しく話せた後のメッセージが向いています。誘いを断られた直後に送ると、断られたことへの不満として受け取られやすくなります。また、文面だけで長く説明しようとするより、短い一言を添えて、続きは会った時に話す方が、相手も構えずに受け止めやすくなることがあります。
伝えた後に相手の動きが変わらなくても、それだけで相手が不誠実だとは言えません。誘うのが苦手な人は、頭では分かっていても、実際に声をかけるまでに時間がかかります。数か月の間に一度でも相手から連絡があったなら、相手なりに受け止めたと見てよいでしょう。
彼氏や彼女をいつも自分から誘う時は、何が友達と違うのか
付き合っている相手とのデートが、いつも自分から誘う形になっている場合も、見る所は友達の時と同じく返事の中身と自分の消耗です。ただ、恋人どうしでは誘う回数の偏りが「自分ばかり好きなのではないか」という不安に結びつきやすく、友達の時より早く苦しくなることもあります。誘われることで大事にされている実感を得たいと思うのは、承認欲求の自然な現れで、恥ずかしいことではありません。そのうえで、不安と事実を切り離して考えます。
恋人の場合に分けて考えたいのは、「誘う」と「段取りを組む」の 2 つです。会おうと言い出すのはいつも自分でも、相手が店を予約し、移動の手配をしているなら、負担はそれほど偏っていません。反対に、言い出すのも、行き先を決めるのも、予約を取るのも自分だけなら、偏りは回数以上に大きくなっています。この 2 つを混ぜたまま「いつも私から」と伝えると、相手は「この前の旅行は自分が全部手配した」と反論でき、話が平行線になりかねません。
伝え方は、友達の時よりも自分の気持ちを前に出して構いません。たとえば、週末の予定を決めるのがいつも自分になっていると感じている場面なら、「誘うのが嫌なわけじゃないけど、たまにはそっちから会いたいって言われたい」と、言われたい言葉をそのまま伝えます。恋人は、あなたが何をうれしいと感じるかを知りたい相手でもあるので、求めを具体的にするほど相手も動きやすくなることがあります。
一方で、誘う回数の偏りに加えて、次のような変化が重なっている時は、偏りの問題ではなく関係そのものの問題として向き合う時期に来ているのかもしれません。
- 会っている間もスマートフォンばかり見ていて、話がかみ合わない
- 先の予定や将来の話になると話題を変える
- 誘いを断る時に、代わりの日も理由も出てこない状態が続いている
この場合は、誘う役を入れ替える工夫より、2 人が関係をどう続けたいのかを話し合うことが先です。誘い方の工夫で埋められるのは役割の偏りまでで、気持ちの離れまでは埋めにくいからです。
誘うのを休む間に、自分の時間とつながりを広げておく
誘うのを休むと決めた後、つらいのは連絡が来ない日々そのものより、空いた時間に相手のことばかり考えてしまうことです。誘う役を手放したぶんの時間と気力は、相手を待つことではなく、自分の予定に回します。前から気になっていた場所に 1 人で出かける、別の友人や職場の人と軽く食事に行く、習い事や地域の集まりに顔を出すなど、1 人の相手に向けていた関心を少し分散させておけば、待つ時間を相手のことだけで埋めずに済むこともあります。
これは相手を見限るための準備ではありません。誘う役が片方に寄り続けた関係では、誘う側の毎日の中で、その相手の存在が実際の大きさ以上にふくらんでいることがあります。ほかのつながりを持つと、相手との関係を適切な大きさで見やすくなり、休んだ後に再び誘うかどうかも、落ち着いて決めやすくなることがあります。長い目で付き合いを続けたい相手なら、忙しい時期にも友人とのつながりを保つ考え方を知っておくと、連絡の波を一時的なものとして受け止めやすくなることもあります。
もし、誘うのをやめたら誰とも話さない日が続く、という状態なら、それは 1 人の友人との偏りより、孤独感そのものが大きくなっているサインかもしれません。話す相手がいなくて苦しい時は、24 時間つながるよりそいホットラインのように、話を聞いてもらえる窓口があります。つながる窓口から、今の時間に話せる所を探せます。
誘うのを休む期間を決めたら、終わりの日をカレンダーに入れておきます。その日が来たら、相手から連絡があったか、休んでいた間の自分は楽だったか、それとも会いたい気持ちが強かったかを振り返ります。会いたい気持ちが勝っていたなら、もう一度だけ、今度は相手に段取りを任せる形で誘ってみます。楽だったなら、その感覚が、今の自分にとって無理の無い距離を教えてくれています。
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